平成30年度上半期(4月-9月)の全国企業倒産件数は4,124件で、前年同期比の2.2%の減少。
過去30年ではバブル景気時の1990年度上半期と1989年度上半期に次いで3番目に少ない件数と
なっております。
倒産原因は「事業上の失敗」が3年連続増加、従業員数が5名未満の構成比が74.5%と過去30年で
最高、また業種別では飲食業が増加しており、建築業は10年連続で前年同期を下回っていると統計が
出ております。
-東京商工リサーチより
会社はなぜ倒産するのか?
それは、「お金が足りない」事が原因です。
そして、利益が出ていてもお金が足らない時もあります。それを「黒字倒産」と言います。
黒字倒産の例を2つ
例1.
300円の商品を作るのに材料費が100円掛かります。手元には50円しかなく、
300円の商品は売れるには売れたけど入金があるのは2ヶ月後、しかし、材料費の
100円はすぐに支払わなければいけません。
例2.
売上は300円、仕入は100円、人件費を含む経費は150円で利益は50円。
しかし、銀行からの借入金の返済が80円、収支は30円のマイナス
例1では
売上の未回収(売掛金)と仕入の未支払(買掛金)がある会社は注意が必要です。
もちろん、支払いより回収が早い事も大切ですが、回収がいつまでも出来ておらず、
未回収のままずっと帳簿に残っている。なんて事がないように。
また、成長中の良い会社は特に、取引量が多くなれば、それだけでも未回収のリスクも増えます。
また、商品の在庫が増えてませんか?儲けが在庫に代わり「売上は増えたけど、貯金がまったく
増えてない」という事はないでしょうか?
例2では
利益より、銀行の返済額が大きい会社は注意が必要です。
利益が改善しなければ、銀行の貯金が減っていくばかりです。商品の値上げ、販売数量の増加、
原価の圧縮、人件費の見直し、固定費の節約など、会社の仕組みを改善しなければいけません。
それでも返済が厳しい場合には、銀行の返済の仕方や借換えなどで少しでも返済額を少なくする
必要があると考えます。
まず、決算書や毎月の試算表を見て、お金の動きを検討してみては如何でしょう。
やたらと売掛金や在庫が増えている。など異常な数値が出ている場合には検証が必要と思います。
売上や利益も大切ですが、儲かったお金がどこにあるのかを知る事も大切です。
岡村泰