会社経営の相続や事業承継に当り、一番悩ましいのが自社株の取り扱いです。自社株の悩みは大きく分けて2点。
- 評価額がものすごく高くなっており、相続財産の多くを占めている。
- 自社株を相続人に分けなければならない。
いわゆる、節税と争族の問題です。
上場企業とは違い中小企業の自社株は換金性も低い上、いざ相続や事業承継になると評価額が高い。中小企業の経営者にとって、相続や事業承継の象徴は自社株であると言っても過言ではありません。
今回は、②の自社株の分割についてお話ししたいと思います。自社株を分割しなければいけなくなった時、会社の後継者にとって一番心配なのは、経営の主導権です。株式のシェアが67%以上持っているというのが、後継者にとって有利な自社株の割合ではないでしょうか?
では仮に、相続財産が自社株しかなく、やむを得ず自社株を分散しなければならないといった場合。経営権が自社株の承継と共に分散しないようにする為に有効な手段として「種類株」というのがあります。
例えば、議決権の制限が出来る「無議決権株式」や優先的に配当を受け取る事が出来る「配当優先株」を組み合わせた種類株は、議決権がなく、将来的に配当を受け取る事が出来、相続人の不労所得とする事が出来ます。
【主な種類株と事業承継の一例】
【主な種類株】
種類株は他にも種類があります。
財産の公平感を優先すると、会社の経営の不安定になる事もあります。財産の承継、事業の承継と考える事は多いですが、優先順位を考え、会社経営にとって後継者に優位になるよう対策をしていく事をお勧めします。手続きが複雑になりますので、是非ご相談を。
株式会社大成経営開発 岡村泰