「消えた相続財産」

相続大増税時代突入。

 

いよいよ平成27年1月から基礎控除が40%引下げられるなどの税制改正が始まります。今、世間では、【税制改正前の相続対策】などの題目のセミナーが多く開催されているようです。弊社も6月6日・11日に終活セミナーを開催し、相続対策についてお話しさせていただきました。

 

相続対策とは?

 

  • 節税対策
  • 争族対策

の2つの大きな対策があります。

 

節税対策とは、いかに相続税を安くするか?

 

争族対策とは、相続が発生した時に家族で争いがないようにするか?

 

ということになります。

 

セミナーでは事例をもとに、どのような方法があるのかお話していますが、最近皆様がら頂くご相談はより複雑化しているようです。

 

60歳女性からのご相談です。

 

【内容】

 

母が亡くなり1年、実家に同居していた兄に、母の財産分与の話をした所、すでに財産分与は済んでいる,、と兄が言ってきました。

 

生前、母は実家と預金を2,000万円ほど持っていると話をしており、娘の私には半分相続させる、と言ってました。財産が何もないなど信じられず調べてみた所、兄が母の生前に母の財産のほとんどを贈与していた事が分かり、母が亡くなった時には、少しばかりの預金が残っていただけでした。

 

私が相続する財産は、兄から取り戻す事は出来るのでしょうか?

 

【対応】

 

母と兄との間で贈与が成立している事を考えたら、相談者の希望は、相当に厳しいように感じました。

 

遺言書もなく、遺留分もありません。

 

相談者の希望は、裁判になっても、兄から財産を取り戻す事でしたので、弁護士事務所へ同行し相談しました。弁護士は贈与が無効であった事を立証するのは相当に難しく、長くなれば相談者への精神的負担が重くなるだろうとの事。相談者の訴えは、もっともだと思うが現実的に厳しいと判断されました。

 

相談者は弁護士の話を聞かれた後も完全に納得は出来てない様子でしたが、後日お礼の電話と共にこれ以上考えても精神的につらいだけと話しておられました。

 

弁護士曰く、相続時に財産がすでに無くなっていたという相談は、最近増えてきたとの事。

 

今回、解決方法がない事例をご紹介しました。

 

お兄さんからの立場では、相続税も争族も結果として対策効果があったと言えるかもしれません。

 

円満な相続とは、なかなか難しいと感じます。

 

株式会社大成経営開発  岡村泰

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