「法定相続人と遺留分」

5月に「相続人の範囲と順位」について掲載させていただきましたが、今月は、2つの例をご紹介し、法定相続分と遺留分を説明させていただきます。

 

CASE1

相続人は、姉妹と甥の2人です。

  • 配偶者・子(第一順位)・親(第二順位)がいない場合、第三順位の兄弟姉妹が法定相続人となります。兄弟姉妹の誰かが、被相続人より早く亡くなっていた場合は、その子供が代襲相続人となります。しかし、その子供が亡くなっている場合は、兄弟姉妹の孫は、代襲相続人となりません。

 

兄弟姉妹の遺留分

  • 兄弟姉妹の遺留分は、ありません。

 

POINT

  • もし、被相続人が、相続人でない者に、すべての財産を遺贈する遺言書を作成していた場合には、遺言書の内容を優先され、兄弟姉妹には遺留分減殺請求権はありませんので、相続人でない者に財産は相続される事になります。

 

CACE2

相続人は、いません。

  • 配偶者・子(第一順位)・親(第二順位)・兄弟姉妹(第三順位)がいない場合、相続人はいません。相続人がいない場合、特別縁故者となる者がいれば、財産の全部または一部を相続する事が出来ます。

 

特別縁故者と認められるのは、

  1. 被相続人と生計を同じくしていた者
  2. 被相続人の療養看護に努めた者
  3. その他被相続人と特別の縁故があった者とされています。

 

内縁の妻や事実上の養子が代表的な例です。ほかには被相続人の療養看護に努めた親戚・知人・看護婦などがあげられます。また、特別縁故者は個人だけでなく、法人でもよいとされています。

 

特別縁故者の手続きは、手間と期間が長く掛ります。
ただし、分与するかしないか、一部分与か全部分与かについては家庭裁判所の裁量によります。

 

POINT

  • 相続人がいない場合の手続きは、手間が掛かります。まして、財産の一部か全部は、国に帰属する事も考えられます。意志を継ぐ方がいらっしゃれば、養子縁組か遺言書の作成をおススメします。

相続人以外の方に相続をしたいというご質問を受ける事が多くなりました。
その解決方法の1つが“遺言書”です。形式や財産分与の方法に気を付ければ、自分の想いを次世代に承継するのに1番有効ではないかと考えます。

 

株式会社大成経営開発  岡村泰

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