その群れの中へ、鍛冶屋が進んでゆきます。「ハテ、誰と?・・・」と好奇心をもって見ていると、なんと鍛冶屋は、自分のおかみさんをつかまえてキスをしたのでした。
賭けをした男たちは、「これじゃ、鍛冶屋の勝ちとは言えないぞ」と不平に思いました。
だって、彼のおかみさんはお世辞にも、一番美しいとは言えなかったのですから。
しかし、鍛冶屋は言いました。
「おいらのかみさんがベッピンでないことくらい、チャント知ってるさ。だけど、おいらにとってはやっぱり、この女がいちばんきれいなんだよ。だからキスしたのさ」
「自分の女房がいちばんかわいい」こんなお話でした。
ずっと一緒に暮らしていれば、空気のような存在になってしまって、その美しさもありがたみも、まるで意識されなくなる。
夫や妻にかぎらず、常に身近に存在する人や物の価値は分からなくなってしまうことが普通です。
空気の効用が意識されにくいのと同じことで、そのぶん「幸せを感じる心根」が鈍ってくることにもなります。
身近にいる人や物の価値を見直し、大切にしましょう。そうしないと感謝とは反対の不平不満ばかりが出てきます。
『大切なものほど、見る気がなければ一生見えない』こんな事に気づいてくださいと言う意味ではないかと思います。
お陰様で、また改めて本を読み、生き方の勉強をしました。
季節の変わり目は体調も崩しやすくなります。どうぞご自愛ください。
ありがとうございました。
株式会社大成経営開発 代表取締役 近藤加代子