エンジェルリポートの中の一つを簡単にご紹介します。
60歳を過ぎてパートでこの仕事を始めました。親会社はJRできちんとしているし掃除は嫌いではなかったから、でもお掃除のおばさんをしていることは誰にも知られたくありませんでした。娘も夫も親類にばれないようにしてくださいと言いました。働き始めると周りの人もいい人だし、赤いジャンパーの制服も若返ったような気がして気に入っていました。ここの人たちは掃除だけをしているのかと思っていたら全く違いました。
ホームで困っている人がいたら真っ先に声をかけお手伝いする接客業です。
ある日いつものようにホームに並んでいた時に親戚にあってしまい見つかってしまいました。プライドの高い親戚に新幹線のお掃除している所見られてしまったのです。自分の中ではもうやりがいのある仕事と思い始めていたので複雑な思いでした。テレビで見て知っていた親戚から電話があり、すごい立派な仕事やってるんだねと言われうれしくなりました。翌年パートから正社員の試験を受けました。社員になりたい動機について聞かれ今までの事を全部話してこう締めくくりました。
「私はこの会社に入るときにプライドを捨てました。でも、この会社に入って新しいプライドを得ました。」
真っ赤なジャンパーを着て私は今日も駅のホームにいます。
列車に乗られる時にちょっと気を付けてご覧ください。
ありがとうございました。
株式会社大成経営開発 代表取締役 近藤加代子