秋も深まり今年も残すところ約2か月となりました。毎月熊本、東京、大阪、たまにベトナムの移動を繰り返していますが、8割は飛行機で残りが新幹線です。
そこで今月は世界一の現場力と言われる新幹線お掃除の天使たちのお話です。
新幹線のお掃除で有名になった会社は鉄道整備株式会社(テッセイ)と呼ばれJR東日本のグループ会社です。東京サービスセンターを拠点に4か所のサービスセンターに800人以上が勤務しており、メインの仕事は車両清掃、駅構内の清掃です。
一日110本の車両、年末年始などは160本の掃除します。1チーム22名で交代制でさばいていて、平均年齢は52歳で女性比率50%です。1年で200人近くを採用しますが1か月で半数は辞めてしまうそうです。それを聞くとなかなか簡単な仕事ではありません。
ホームにきちんと整列をし列車を迎えお辞儀をする、限られた時間7分間の中ですべてを終わらせ、またお辞儀で終わる「礼に始まり、礼に終わる」。ここで働く人たちが「お掃除の天使たち」と呼ばれ各局のテレビで紹介されて、今や知らない人はいないほどです。
夏休みのテレビ番組でも小学生がこのお掃除に挑戦し、チームワークや礼儀、そしてスピードなどを学ぶ番組もありました。見ているほうは凄いなと思うばかりですが、働いているテッセイの皆さんは掃除が毎日の仕事であり、自分の生活の糧を得るためです。たぶん、時には嫌になったりすることもあるはず、経営者から言えば清掃で社員のモチベーションを保ち活性化させていくのは大変だと思います。
このテッセイにはディズニーと同じように「エンジェルリポート」と言う仕組みがあるそうです。頑張っている人を上司や仲間たちが褒める仕組みで、コツコツと頑張っている人、良い取り組みをしている人を埋もれさせないで、その努力や頑張りを認め、評価する為に考え出された仕組みです。
(次回に続く)
株式会社大成経営開発 代表取締役 近藤加代子